空港の顔認証システムで連日買いを集めるサクサHD＜6675＞はこの日も売買高、売買代金1位で、36円高で年初来高値を更新し値上がり率2位。値上がり率でそれを上回って1位だったのが日本エンタープライズ＜4829＞でストップ高の80円高。スマホ向けアプリを開発する福島県会津若松市の会津ラボの全株式を取得して28日付で子会社化する。会津大学発ベンチャーで「女子会調整アプリ」などを製作している。エス・エム・エス＜2175＞は発表ラッシュ。15.5万株、4億円上限の自社株買い、12月31日時点の株主対象の1対2の株式分割実施、海外子会社を通じて病院情報システムの開発・販売を手がけるマレーシアのCENTIUM社の子会社化を同時発表し97円高。情報システム開発のアイネット＜9600＞は77円安で値下がり率1位だった。
コマツ＜6301＞は前場発表の中国のHSBC製造業PMIが悪かったため、不動産市況の落ち込みで建設需要減速懸念が出て37.5円安。リコー＜7752＞とともに上場以来初の株主優待制度導入という話題でも挽回できなかった。リコーも2.5円安。大和ハウス工業＜1925＞は、関西、伊丹両空港の事業運営権の売却先に関西の地元企業と連携して応札を検討していることが明らかになり7.5円高だった。
小林喜光社長が2015年4月に経済同友会代表幹事に就任することが固まった三菱ケミカルHD＜4188＞はご祝儀？の年初来高値更新つきで1.8円高。小林社長は2011年から経済同友会副代表幹事を務めている。東レ＜3402＞は前日、トヨタの燃料電池車「MIRAI」に自社の炭素繊維が採用されたと発表。岩井コスモ証券がレーティングと目標株価を引き上げ56.2円高で年初来高値を更新して値上がり率8位。売買高10位、売買代金7位と買われ繊維セクターを業種別騰落率トップに押し上げた。鉄の10倍の強度で軽さが4分の1という特徴を活かし、高圧水素タンクや燃料電池の電極基材のような重要部品の他、炭素繊維樹脂シートが内装のフロア材にも使用されるという。
セブン＆アイHD＜3382＞は、セブンイレブンがコーヒーの次はドーナツで、2015年中に全1万7000店のレジ横に専用ケースを設置して「セブンカフェドーナツ」の販売を始めると報じられたが値動きなし。年間販売計画は約6億個。「ミスタードーナツ」にとっては脅威で親会社のダスキン＜4665＞は82円安で値下がり率10位。住友不動産＜8830＞は有利子負債の長期化を進め、6年以上のものが全体の96％にすると報じられ93円安。不動産セクターは業種別騰落率32位と不振で、三井不動産＜8801＞は62円安、三菱地所＜8802＞は61円安だった。
ゲーム・コンテンツ関連銘柄は、コロプラ＜3668＞は115円安、ネオス＜3627＞は51円安で値下がり率2位、オルトプラス＜3672＞は45円安で同3位。ガンホー＜3765＞はアメリカのカムコードの株式の12％を取得すると発表したが12円安。カムコードはスマホゲームのプレイ動画を録画して配信できる開発キットを提供している。飲食店情報サイトを運営するぐるなび＜2440＞は2015年1月から日本の飲食店のネット予約を英語で受け付けると発表し150円高で値上がり率3位。国内約6万5000店の情報を掲載するぐるなびは英語、中国語など7ヵ国語の外国語版があるが、予約ができるのは日本語版だけだった。2015年春にはアメリカの旅行情報サイト大手トリップアドバイザーと連携し、そのサイトからも予約できるようにする。
新興市場は、日経ジャスダック平均は0.03％下落、東証マザーズ指数は0.18％上昇。SNS、ネット掲示板の投稿データを監視・活用するクラウドサービスを展開するマザーズのホットリンク＜3680＞は東証が信用規制を強化して179円安。オーダーメード型のシステムの保守・管理サービスを展開するジャスダックのモジュレ＜3043＞は、12万株、1億円上限の自社株買いを発表するとストップ高比例配分の150円高。ジャスダックの自動車部品メーカーのジーテクト＜5970＞は12月5日の指定替え先が東証1部に決定したが20円安。〃幕内〃の東証1部は「家賃が高い」とみられた？
この日の主役は「鳥インフルエンザ関連銘柄」。13日に島根県安来市のコハクチョウのふんからH5N8亜型、17日に東京都江東区のホシハジロの死骸からA型のウィルスが検出され、前日には宮城県栗原市伊豆沼のオオハクチョウの死骸を簡易検査したところ鳥インフルエンザの陽性反応が出た。ウィルス関連銘柄は大幸薬品＜4574＞は68円高、マスクのシキボウ＜3109＞は4円高、ダイワボウHD＜3107＞は5円高。宮城県のウィルスのタイプは北海道大学で現在検査中。（編集担当：寺尾淳）
