27日の日経平均は昼下がりのゲリラ急落で大幅続落。NYダウは40ドル安で4日続落。それでも中東の地政学的リスクに影響された午前中の3ケタ安から回復し午後はプラスになる時間帯もあった。CME先物は一時19025円まで下げたが清算値は19310円。朝方の為替のドル円は119円台前半だった。月末の金曜日なので取引時間前に政府発表の経済指標ラッシュ。消費者物価指数(CPI)は2月全国が+2.0%で市場予測を下回り、消費増税分を除けばプラスマイナスゼロ。3月東京都区部は+2.2%。家計調査の二人以上世帯の実質消費支出は-2.9%で市場予測より良かった。労働力調査の失業率は3.5%で1月比0.1ポイント改善、有効求人倍率は1.15倍で1月比で0.01ポイント改善した。
3月期決算銘柄の配当権利落ち日で、配当権利落ち分は111円(ブルームバーグの試算)と推定されていた。日経平均始値はCME清算値にさや寄せすることなく96.40円安の19374円。配当権利落ち分が12ポイント程度とみられたTOPIX始値は-11.58の1557で、配当権利落ち分よりやや少なめの下げ幅で底堅く始まる。どちらも序盤は下げ幅を圧縮して日経平均はすぐ19400円台を取り戻し9時16分にはプラス圏に到達。権利配当落ち分を埋めるまではスピーディーだったが、しばらくTOPIXをマイナスに置いたまま前日終値をはさんで上下動しモタモタする。10時15分頃にようやく19500円を突破してTOPIXもプラスに浮上。その後は10時37分に15589円の高値を取り15600円に接近。100円を超える上昇幅で、前日の下落からの反発で押し目買い勢力も元気を回復かと思われた。前引けは93円高の19564円で、週間騰落を4円のプラスにする水準まで戻った。
後場はほぼ前引け水準で再開。午後0時台に高値を取るものの下押しされて15600円には届かない。そこへ突如、牙をむいて襲ってきたのが先物主導のゲリラ急落で、1時台のうちに19500円も19400円も19300円もボロボロ割り込んで「今週は2万円には届かなくても7週連続のプラス継続」という望みを無残に打ち砕く。3月のメジャーSQ値の19225円も割り込み、2時を回ると19200円も19100円も一気に割り込んで2時3分の371円安19099円でようやく下げ止まる。後場だけで490円も下げてしまい、2013年5月23日の狼狽売り地獄がよみがえる。その後、19200円近くまでリカバリーしてもすぐに息切れ。それでも終盤は健気に19200円台を回復して13日のメジャーSQ値も上回り、185円安、配当権利落ち分を差し引くと74円安の19285円で終了した。
新規IPOは1銘柄。sMedio<3913>が東証マザーズに新規上場し、公開価格2520円より58.7%高い4000円の初値がついた。今週の10銘柄は24日にいきなり「初値<公開価格」の黒星でつまずいたが、その後はきれいに9連勝した。次回の新規IPOは4月8日。株主総会のプロキシファイト(委任状闘争)に発展した大塚家具<8186>のイヌも食わない会長と社長の父娘ゲンカは本日総会開催で、父親の取締役解任決議が可決され「娘の勝ち」という『リア王』と同じ結果。株価は後場乱高下して終値は16円安だった。
日経平均終値は185.49円安の19285.63円、TOPIX終値は-16.04の1552.78。売買高は25億株、売買代金は2兆9656億円と最近にしては多め。値上がり銘柄数は304、値下がり銘柄数は1507。上昇セクターはサービス1業種のみ。小売はプラスマイナスゼロ。下落セクターは海運、卸売、空運、水産・農林、石油・石炭、鉄鋼、銀行など31業種だった。
3月期決算銘柄の権利確定ウィークの星取は2勝3敗の負け越し。前週末20日の終値19560.22円から274.59円下落し、7週ぶりのマイナスで今週の取引を終えた。マーケットの潮目は変わるのだろうか?(編集担当:寺尾淳)