英ジャガーは先日、フランクフルトショーで同社初となるクロスオーバー車「F-Pace」を正式に発表し、来年から順次世界発売するとした。ジャガー・ジャパンは、そのF-Pace開発のベースとなり、先にフルチェンジしていたダイナミック・ラグジュアリー・サルーン「XF」を、ようやく日本でも発売すると発表した。
先代「XF」は、2007年の発売以降(日本での発売は2008年)、ジャガー史上最多となる145のアワードを獲得、世界的に高い評価を受けた。が、今回の新型モデルでは、そのデザイン性の高さとダイナミックさを受け継ぎながらも、新たな技術・機能を取り入れ、さらなる進化を遂げた。
最大のニュースは、75%にアルミニウムを使用した軽量ボディモノコック構造。従来の「XF」モデルと比較して最大190kgの軽量化を実現し、ねじり剛性は最大28%向上したという。
エクステリアデザインは、“ひと目でジャガーとわかる”デザイン要素を継承し、ジャガー初となる「アダプティブLEDヘッドライト」を採用。一昨年デビューしたピュアスポーツ「Fタイプ」を思わせるスポーティな造形が際立っている。Fタイプを継承するかのようなボンネットのパワーバルジやリアコンビランプも特徴だ。
ホイールベースを延長(後述)し、フロントオーバーハングを切り詰めた躍動感のあるデザインを強調。フロントバンパーに大きな開口部を設け、空力性能も向上させたという(Cd値:0.26)。
ボディサイズは先代モデルと大きくは変わらず、全長×全幅×全高4965×1880×1455mmで、10mm短く5mm広く5mm低い。一方、ホイールベースは先代比でプラス50mmの2960mmとなった。これにより、後部座席のレッグルームを15mm、ニールームを24mm、ヘッドルームを27mm拡大し、広々とした室内空間を確保した。
インテリアは、スタイリッシュかつラグジュアリーなデザインを取り入れ、直感的なタッチ操作やホーム画面を自由にカスタマイズできる新開発の10.2インチ静電式タッチスクリーンのインフォテインメントシステム「InControl Touch Pro」を採用した。デジタルメーター類だけでなく、ドライバー専用のフルスクリーン・ナビゲーション・ディスプレイとしても活用できる12.3インチTFTインストルメント・クラスターも装備し乗員の利便性を高めた。
また、スムーズなドライビングをサポートする電動パワーステアリングをはじめ、滑りやすい路面でもステアリング操作のみで一定低速度で走行できるオール・サーフェイス・プログレス・コントロール(ASPC)、コーナリング時のアンダーステアの発生をおさえる、トルクベクタリング・バイ・ブレーキング。車間距離を維持しながら走行するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)など、先進のドライバー支援システムを標準装備する。
新型XFの車両価格は、2リッター直4ガソリンターボ搭載の「XF ピュア」598.0万円、「XF プレステージ」668.0万円。3リッターV6ガソリンスーパーチャージャー搭載の「XF Rスポーツ」969.0万円、「XF ポートフィリオ」1027.0万円、「XF S」1105.0万円、2リッター直4ディーゼルターボ搭載の「XF ピュア」635.0万円、「XF プレステージ」693万円。組み合わせるトランスミッションは、パワーユニットを問わず8速ATとなる。(編集担当:吉田恒)