新年度が始まって一ヶ月ほど。新入社員が入った企業では研修が行われていたり、現場に配属して会社や実務に慣れされていたりといった教育が盛んに行われていることだろう。新入社員との関係に苦慮している方もいるのではないだろうか。三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、1300人の新入社員に対して行った「2017(平成29)年度 新入社員意識調査アンケート結果」から、今年の新入社員の傾向に関する分析結果をまとめた。
調査によると、新入社員は「給料」よりも、「残業がない・休日が増える」といった勤務時間や休日といった待遇を会社に期待している傾向があるという。全体の8割を超える新入社員が、就職活動の際に受験する企業が「ブラック企業かどうか」を気にしたといい、自分の時間を確保したいという「自分ファースト」な考え方が高まっているという。ただ、「目標を与えられ、達成に向けて頑張りたい」と回答した人が8割で、決められた時間内で成果を出したいと考える人が多いようだ。
理想の上司像に対して質問した所、広い心で受入れ、自分の成長を見守ってくれる「寛容型」の上司を理想としている新入社員が25.1%と最も多い結果となった。逆に何事にも熱心な「情熱型」は9.8%、効率的に仕事を進める「理論型」は9.2%という結果になった。
自分が抱える悩みとして「上司・先輩・同僚との人間関係」、「仕事が自分に合っているか、うまくできるか」という項目に対して特に回答が多く、不安や悩みに対してやさしく見守ってくれる上司への支持が集まっている。
もちろん、仕事は決して甘い部分だけではない。情熱や理論も会社組織を運営する上では必要であり、新入社員に教育する必要がある。ただ、昨今ブラック企業やパワハラが問題視されていて、「柔軟な働き方」が注目される中で、新入社員にも「自分を大切にしたい」という考え方が浸透してきたのだろう。従来よりも、一層個人を尊重しながら、我慢強く新入社員と向き合う必要が高まってきたと考えられる。新入社員とじっくり語り、まずは不安と悩みに寄り添ってみてはいかがだろうか。(編集担当:久保田雄城)