官僚は生成AIを何に使っている? 最多は「外部リサーチ」30.7%

2026年08月26日 12:28

霞が関

全府省庁で生成AIの利用が始まるなか、外部データの調査・リサーチや要約など行政実務での活用が広がっている(写真は霞ケ関駅)

今回のニュースのポイント

デジタル庁が公表した最新の定期報告により、全25府省庁で生成AIの利用が始まるなか、行政実務における具体的な利用用途で最も割合が高かったのは「Webサイト等外部データの調査・リサーチ(30.7%)」であることが分かりました。次いで「要約(28.6%)」、「テキストのみ資料生成(28.2%)」が続き、文章執筆そのものよりも、情報収集や整理、要約といった前工程での活用が上位を占めています。一部案件では過去資料の調査時間や問合せの3割削減といった目標も設定されており、業務効率化に向けた具体的な活用が広がっています。

本文
 行政機関における生成AIの導入が拡大するなか、霞が関の職員が日々の業務でAIをどのように活用しているのか、その実態が明らかになりました。デジタル庁が発表した「各府省庁生成AIシステム定期報告概要(令和7年度第4回)」によると、全25府省庁で生成AIシステムがすでに利用開始されており、そのうち20府省庁では府省庁内全体へ利用が広がっています。

 では、現場の職員は生成AIを具体的にどのような作業に活用しているのでしょうか。報告内で示された「利用用途の全体概要」(全報告件数に対する割合・複数割り当て)の分析結果によると、最も高かった用途は「調査・リサーチ(Webサイト等外部データ)」で30.7%(74件)でした。

 以下、2位は「要約」で28.6%(69件)、3位は「テキストのみ資料生成」で28.2%(68件)、4位は「調査・リサーチ(府省庁内部データのみ)」で25.7%(62件)、5位は「翻訳」で20.7%(50件)と続きます。一方で、「文章執筆(メール等ドラフト)」は19.9%(48件)にとどまりました。

 世間一般では生成AIに対して「代わりに文章を自動生成するツール」というイメージが先行しがちですが、政府実務においては、情報を「探す」「読み込む」「要約・整理する」といった、文章作成に至る前段階の作業での利用が上位を占めている点が特徴的です。

 行政実務では、膨大な過去の政策文書や法規、外部の最新動向を正確に把握した上で資料作成を行う場面が多く見られます。生成AIは最終的なアウトプットの作成だけでなく、その前提となる情報収集や論点整理を支援する用途にも活用されています。

 活用が進むにつれ、成果目標を定量的に設定する動きも見られます。資料で示された成果目標の記載例では、「過去資料の調査にかかる時間を30%削減」や「職員等からの問い合わせ等を3割削減」といった具体的な定量目標が掲げられています。なお、これらは設定された案件ごとの目標や事例であり、政府全体の業務時間が一律に3割削減されたことを示すものではありません。

 また、利用形態の変化も見逃せません。単に指示文を入力して汎用的に会話する「汎用型」にとどまらず、特定の規程や業務資料などを参照する仕組みを導入することで、特定業務に対応した生成AIの活用が進んでいます。

 政府において生成AIの利活用が進むなか、その役割は文章作成のみならず、リサーチ、要約、内部情報の整理など、行政実務のさまざまな工程へと広がっています。今後はこうしたツールの導入が、実際の業務時間や負担の軽減にどこまで寄与するのか、客観的な成果の検証が次の焦点となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)