空き巣の増える、年末年始。住宅の対策は大丈夫?

2013年12月28日 14:05

 2013年も、残すところあと数日。今年の正月休みは9連休となる会社も多い。しかも、今年は景気の上昇気配も手伝って、海外旅行を計画している人も増えているようだ。JTB総合研究所の調査によると、今年10月の日本人出国者数は149万人(前年同月比1.3パーセント増)で、9カ月ぶりに前年を上回っており、低迷を続けていた旅行市場も秋から回復傾向にあることが伺える。

 しかし、喜ばしいことばかりでもない。長期で留守にする家庭が多くなると、空き巣被害も増えてしまうからだ。警視庁によると、2012年の東京都内における潜入窃盗の認知件数は7,970件となっており、前年に比べて72件(0.9パーセント)減少しているものの、そのうち、空き巣被害だけに着目してみると3,473件で、前年に比べて91件(2.7パーセント)増加している。また、侵入窃盗の場所別では、住宅が59.0パーセントを占め、その内訳は、一戸建て住宅が22.2パーセント、4階建て以上の中高層住宅が10.8パーセント、その他の住宅が26.0パーセントとなっている。

 空き巣の進入手段としては、ガラス破りと無施錠、ピッキングなどの施錠空けとなっており、とくに戸建て住宅においては、ガラス破りが圧倒的に多く58.8パーセントを占め、侵入口は、窓からが70.2パーセントにも上っている。

 家主自身の防犯意識もさることながら、近年は住宅メーカー側でも空き巣対策を講じた住宅づくりを行っているようだ。今回は、地域密着型のハウスメーカー、アキュラホームの商品開発部に空き巣対策について話を伺った。

 同社では、住宅の間取り設計を行う際、人の侵入を防ぐために北側にあまり大きな窓を取り付けないことや、南側の大開口にはシャッター、その他は小窓には面格子を取り付けるなどの対策をしているという。また、玄関ドアにサムターン回しの対策を施したり、人感センサー付き照明や録画機能付きインターフォンを設置したりするなどで、窓だけでなく玄関の防犯にも配慮がなされているそうだ。

 防犯の基本は、見通しの良いこと。ベランダやバルコニー、庭など、できるだけ死角にならないようにすることが大事だ。また、同社の住宅ではオープン外溝を推奨しており、外溝に砂利を敷くなど、空き巣が入りにくい家を心がけているという。

 確かに、空き巣は防犯対策が意識された住宅だと、リスクが高いと感じ、下見や初期段階で侵入を断念してしまうというから、外溝に防犯対策がなされていること自体が、空き巣へのけん制となるのだろう。

 とはいえ、やはり一番大切なのは、そこに住んでいる家主とその家族一人ひとりの意識だ。外出時に施錠するのは当然として、留守を感じさせないような対策や、近所の人に一言声をかけて行くなど、それぞれの防犯意識や心がけで、大きく変わってくるだろう。

 せっかくの新年。楽しい旅行から帰ってきて、憂鬱な気分にならないように、気をつけていただきたい。(編集担当:藤原伊織)