今回のニュースのポイント
JETRO青島事務所が山東省進出日系企業を対象に実施した調査で、2026年の事業見通しに製造業と非製造業の違いが鮮明になりました。製造業では「計画通り」が57.9%へ低下し、「縮小」が22.8%へ上昇。一方、非製造業では「計画通り」が86.4%まで上昇しました。ただ、中期的には製造業でも拡大志向が強まっており、中国事業から一律に後退するのではなく、営業強化や調達先の多様化を進めながら事業を見直す企業の姿が浮かびます。
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日本貿易振興機構(JETRO)青島事務所は、山東省進出日系企業を対象とした「山東省進出日系企業の実態調査」の結果を公表しました。同調査は山東省の日本人会会員企業408社を対象に今年5月27日から6月12日にかけて実施され、79社から有効回答を得ました(回答率19.4%。内訳は製造業57社、非製造業22社)。中国・山東省における日系企業の足元の業況や今後の方向性が可視化されています。
2026年の事業見通し(計画に対する実績・見込み)について、全体では「計画通り」と答えた割合が65.8%となり、前年調査の75.8%から10.0ポイント低下しました。一方で「縮小」は19.0%となり、前年の15.2%から3.8ポイント上昇しています。
業種別で見ると、製造業と非製造業で姿勢の差が鮮明に現れました。製造業では「計画通り」との回答が57.9%と前年の76.2%から18.3ポイント低下したほか、「縮小」が前年(9.5%)から13.3ポイント増の22.8%に上昇し、慎重姿勢へ転じる傾向が見られました。一方、非製造業では「計画通り」が前年75.0%から86.4%へと11.4ポイント改善し、「縮小」も9.1%(前年25.0%から15.9ポイント改善)にとどまりました。前年調査における「製造業の回復・非製造業の慎重」という構図が逆転した形です。
もっとも、今回の結果は日系企業が一律に中国市場から撤退する動きを示しているわけではありません。2027年以降の中期的な事業展望においては拡大志向を示す企業もみられ、特に製造業では、足元の慎重姿勢と中期の拡大意欲が混在する二面性が示されています。
具体的な事業改善・見直し策(複数回答)では、「中国市場・中国企業向け営業の拡大・強化」が55.7%で最多となりました。これに続いたのが「部品・材料などの調達先のさらなる多様化」で43.0%に上りました。調達先の多様化は前年(27.3%)から15.7ポイント上昇しており、全選択肢の中で最大の伸び幅を記録しています。リスク分散を図りつつ、現地でのビジネス基盤を最適化させようとする姿勢が見えてきます。
なお、山東省のビジネス環境に対する総合的な評価については、「満足」が75.9%、「非常に満足」が2.5%となり、両者を合わせた肯定的な評価は78.4%と、前年(78.8%)とほぼ同水準でした。
山東省の日系企業では、製造業を中心に短期的な事業見通しへの慎重姿勢がみられる一方、営業強化や調達先の多様化など、事業継続を前提とした対応策への関心も高まっています。2027年以降の中期展望では「拡大」が全体の31.6%、製造業では33.3%まで上昇しており、足元の慎重姿勢と中期的な拡大意欲が今後どのように事業展開へ反映されるかが注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













