石川・富山の大雨被災者に金融上の措置 通帳・印鑑なしでも預金払い戻し

2026年08月28日 07:21

日銀6

日本銀行本店。日銀金沢支店と北陸財務局などは、大雨で被災した石川・富山両県の被災者への弾力的・迅速な対応を金融機関などに要請した

今回のニュースのポイント

日本銀行金沢支店や北陸財務局などは27日、大雨で災害救助法が適用された石川県・富山県の被災者に対し、金融機関や保険会社、証券会社等へ被災状況に応じた弾力的かつ迅速な対応を要請しました。被災により預金通帳や印鑑を紛失した場合でも本人確認ができれば預金の払い戻しに応じるほか、罹災証明書の後日提出や写真による被災状況の確認、ローンの返済猶予や手続きの簡便化、保険金の迅速な支払い、ATM稼働や店舗情報周知などを求めています。

本文
 日本銀行金沢支店、北陸財務局、富山財務事務所は27日、8月27日からの大雨により災害救助法が適用された石川県および富山県の被災者や被災事業者に対し、金融上の措置を適切に講じるよう関係金融機関等へ要請しました。対象となるのは、預貯金取扱金融機関をはじめ、証券会社、生命保険会社、損害保険会社、少額短期保険業者、電子債権記録機関です。今後、災害救助法の適用地域が追加された場合にも同様の対応を求める方針です。

 今回の要請では、被災者の状況に応じ、預金の払い戻しや融資、罹災証明書を必要とする手続きなどについて弾力的な取り扱いを求めています。

 預貯金取扱金融機関に対しては、家屋の浸水や避難などによって預金通帳、預金証書、届け出印鑑などを紛失した場合でも、被災状況を踏まえた確認方法で本人申し出であることが確認できれば、預金の払い戻しに応じるよう求めています。また、事情に応じて定期預金や定期積金などの期限前払い戻しやそれらを担保とした貸付、損傷した紙幣や貨幣の引換え、紛失した国債に関する相談にも対応するよう要請しています。

 被災直後の手続きで課題となる罹災証明書についても配慮が求められました。通常であれば罹災証明書の提示を求める手続きであっても、自治体における発行状況を考慮し、現況の写真の提出など別の手段による被災状況の確認や、罹災証明書の後日提出を認めるなど柔軟に対応するよう促しています。

 住宅ローンや事業者ローンなどを抱える被災者に対しては、融資相談所の開設、融資審査時の提出書類を必要最小限とするなどの手続きの簡便化や融資の迅速化に加え、既存融資にかかる返済猶予などの貸付条件の変更など、被災者の便宜を考慮した措置を講じるよう要請しました。さらに、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」の手続きや効果を適切に説明し、相談に対応することも求めています。

 保険会社や証券会社に対しても対応が整理されました。生命保険・損害保険では、保険証券や印鑑を紛失した場合でも契約内容が確認できれば請求案内を行うなどの便宜を図るほか、保険金の迅速な支払いや保険料の払込猶予期間の延長を要請しています。証券会社等に対しては、有価証券の再発行手続きへの協力に加え、預かり有価証券等の売却・解約代金について被災者から即日払いの申し出があった場合、可能な限り払い戻しに応じるよう求めています。

 さらに、休日営業や営業時間外の対応への配慮に加え、窓口営業ができない場合でもATMなどで預金の払い戻しを行うなど、被災者の便宜を考慮した措置を要請しました。営業停止店舗や継続してATMを稼働させる店舗の情報については、店頭ポスターや新聞、ホームページなどを通じて被災者へ周知徹底することを求めています。

 今回の発表は、被災者に新たな給付金などを支給するものではなく、金融機関や保険会社などに対し、被災状況に応じて弾力的・迅速な対応を講じるよう要請したものです。通帳や印鑑を紛失した場合や、罹災証明書をすぐに用意できない場合にも柔軟な取り扱いが求められており、被災者は取引先の金融機関などに対応を相談できます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)